薬乱用するなかれ

昨日、薬を久しぶりに飲んだ。

いけないことだが、お酒も飲んだ。

焦りや死にたい気分を払拭したくなっていた。

結果、酩酊状態になった。

 

昨日の夜の記憶がほとんどない。

 

処方された薬、レキソタン

レキソタンは、以前飲んだことがあった。

効きすぎて、身体から力が奪われる。

だるい、だるい、だるい。

元気がでない。

飲む量が多いんじゃないか。

昨日まであった食欲も全くなくなった気がする。

 

酒や薬に支配されたくない。

自分をコントロールしなくては。

 

来週から新しい食い扶持のため、働きにでることになった。

石に齧りついても、やり通すしかない。

小説の方も、書き始めた。

何を書くのか全く思いつかないが、家族について書いてみようと思っている。

 

クラウドワークスで受けた仕事も締め切りが近い。

今夜中に3本仕上げる予定。

文字数が少ないので15分で仕上がる。

あとはパソコンに向かう気力体力があるかどうかだ。

 

会社務めがはじまるので、それなりの準備もいる。電卓と筆記用具、オフィスカジュアルな服、化粧品、ノート。

頭が痛いが、働き口があるのはありがたい。

なんとか生きていかなければ。

なんとか、生きて。

 

あまりに身体がだるいので、酒を極力控えることにした。

25度の焼酎なんか飲んでるからだるいんだ。

 

レキソタンは効きすぎて吐きそうになるので様子見だ。

 

身体がだるい。

お風呂に浸かりたい。

頭が痛い。

死にたくなる。

死にたくなる気持ちを否定しない。

誰かとずっと一緒にいたい。

 

 

 

 

今日、これまであったこと

本日、2回目の派遣先面談。

昨晩ほとんど眠れなかった私は、手元に残っていた精神安定剤を1錠だけ服用した。

朝10時、気分が異様にたかぶって眠れないかと思ったが、薬の効果かプラシーボか。

3時間ほど睡眠をとることができた。

 

午後、派遣会社の営業さんと待ち合わせして、派遣先の業務の簡単な説明を受ける。

先日の面談がいい結果にならなかったことを謝罪され、申し訳ない気分になった。

 

時間がきたので、派遣先会社へ伺う。

支店長さんと営業さんに面談をしていただく。

事務と電話接客のある仕事のため、前職で行っていた接客をロープレしてほしいと言われた。

なかなか面白い面談だった。

途中で支店長さんから、駐車場のことや勤務時の服装の注意を受ける。

話し方から、もう採用が決まったかのような雰囲気だった……が、この雰囲気に騙されて安心していたら結果が残念だったことは何度も経験しているので、変に期待は持たなかった。

 

面談を終え、帰宅途中に心療内科に寄った。

何か月ぶりだろうか。

さっき服用した安定剤のおかげで、混乱や焦りが幾分和らいだので、ここはきちんと医学の助けを得るべきだと思った。

 

診察中に、ケータイが鳴る。

直感的に派遣会社かな、と思うがとることができず。

医師の言うことには、躁状態鬱状態が混合している状態らしい。

一年で何回もこういう状態になっているので、最初は弱い薬と生活を安定させることから始めましょう、と言われた。

安定剤2種と睡眠薬の処方。

取りあえずは経過をみていくことになった。

 

会計を待つ間に着信履歴をみたら、やはり派遣会社だった。

今日の面談で、無事に採用された。

 

食い扶持が決まったのだ!!

 

喜びはあったが、まずは休まず出社し続けることを目標にする。

来週からはまた会社勤めが始まる。

家賃と光熱費が払える。

 

ありがたいことだ。

精神状態をなんとか安定させていきたい。

 

帰宅してメールを確認すると、執筆したコラムがWEBサイトに掲載されていた。

しばらくは連載を持たせてもらえるらしい。

自分の経験をもとにした自由コラムなので、書きやすい。

まあ、自分的には常に文章を書くことに触れておこうという目論見である。

 

処方してもらった安定剤を、飲んでみる。

本当は、少し横になっているほうがいいのかもしれないな。

 

今日一日で、いろいろと動きがあった。

 

コラムの仕事や食い扶持の確保もありがたいが、通院できたことが、精神的には良かった。

薬を飲むのはあまり好きじゃないが、コントロールできない感情の上がり下がりは、自分で調整していくしかないのだろう。

 

安眠と恐怖が、少し穏やかになった。

 

自分を丁寧に扱ったからだろうか?

 

時間を決めて、コラムの続きと、自分の宿題を完成させねばならない。

 

 

 

 

 

大丈夫、危害は加えないのです。

コンビニに行く。

いつも通りの買い物をする。

今日使う予定の白いシャツにアイロンをかける予定。

 

夏が始まるらしい。

私にとって、季節とは、思い出したくない思い出ばかりを肌に刻み込む装置だ。

あのとき、セミが鳴いていた。

あのとき、エアコンがフル稼働していた。

あのとき、ダッフルコートを捨てた。

 

憎しみでいっぱいの、季節は、ただただ重荷になっていく。

どうして、嬉しかったことは、こんなにも早く新鮮味を失うのか。

何よりも大切な思い出であることは間違いないのにな。

嬉しいやら幸せやらは、強さがない。

そこに信念を見いだせない人間にとっては。

 

お前は甘えてるんだ、前向きになれ、親を安心させろ、奴隷になれ、嬉しいと言え、ありがとうと言え、感謝しろ、成長しろ。

 

本当に、笑ってしまうが、こんな言葉がずっと耳の中で鳴り響いてる。

酒が足りないな、もう飲まないよ。

安定剤を飲むときが、やっときたみたい。

少しだけ休むことにする。

 

感情が何を感じようがあまりにも自由なのだ

眠らなくちゃな、と考えて、眠りたくないな、と本心は答えていた。

 

昨日は一日、どうにも調子が出なくて臥せっていた。

本当は、いろいろ用事を済ます予定を立てていたのに、情けないなあなんて思いつつ。

メールの返信をすることも出来ず、布団でうだうだとしていた。

夕方、恋人の仕事を手伝いに行く。

お客様が営業時間外までねばっていたので、帰宅は3時近くになった。

水商売のしんどいところだ。仕事だから、仕方がない。

しかし、何時に帰れるのか予測がつかないっていうのは地味に精神を削っていくものだ。

本当は、帰宅したらメールの返信をしたり、書きかけのコラムを完成させるつもりだった。

しかし、仕事中に不安な気持ちが爆発してしまった。

 

安定した収入源がないこと。

親に情けないと言われてしまったこと。

自分の信念に自信が持てないこと。

恋人に小説家になる夢を宣言できなかったこと。

 

何もかもか、自分を追いつめて、否定してくるような、逃げ場がない気分になった。

 

かと言って、この世から逃げ出すわけにもいかない。

ブログに、死にたい死にたいと書きまくっているが、実行に移すまでには至っていない。

安眠(自分の中の希死念慮を擬人化したもの)の発する言葉に耳を傾けるようにしている。

本心を偽ることが一番いけないのだ。

 

帰宅して、しばらくは鬱鬱としていた。

いけないと分かっていても布団の中でスマホを眺める。

なんとか、現状から抜け出し這い上がりたい。

クリストファー・ノーラン監督の映画「バットマンビギンズ」で、主人公の父親

「人は何故落ちるのか。這い上がるためだ」と言っていた。

高みに登れなくてもいい。

せめて地面に這い上がって、陽の光くらいは浴びたいじゃないか、と考える。

 

スマホをいじっていると、メンタルブロックの記事に行き当たった。

 

メンタルブロックとは、マイナスの固定観念のことらしい。

 

つまり、今の私を支配している観念だ。

 

メンタルブロックは、いくつかの過程を経ると、外すことが可能だそうだ。

私は、私のメンタルブロックとしばし対峙することにした。

 

生きる上で恐怖を感じる場面を思い描いてみた。

一番の恐怖は……未知の領域に踏み出すことだ。

小説家を目指し、日々文章を書き続ける。

派遣に登録して、派遣先に顔合わせに行く。

新しい職場で、新しい仕事に取り組む。

仕事仲間とコミュニケーションをはかる。

クラウドソーシングで文章書きの仕事をする。

そんな、自分で決めて行うすべてのことが、未知の領域へと私を連れ出すのだ。

それらが恐怖を呼び起こしている。

失敗への恐怖ではない、孤独への恐怖でもない。

 

自分で決めて自分で行うことそのものへの恐怖だ。

 

誰かの承認なしに自分の人生を生きることへの恐怖。

 

親の承認、兄弟の承認、恋人の承認、友人の承認、世間一般の承認。

そんなものを無視して、自分の可能性を信頼することへの恐怖。

自分を無視して他人の承認を優先させてきた、主体性のないこれまでの人生から、脱却することへの恐怖。

 

雨宮まみ氏のコラム『40歳がくる!』を読んだ時に感じた恐怖。

「次の嵐」

恐怖とは、嵐なのだ。

 私が雨宮まみ氏を知ったのは、彼女が亡くなった後だった。『40歳がくる!』は、私にとって痛みと傷をえぐられるような素晴らしいコラムだ。素晴らしい文章は、いつでも、読む者の傷を開き血肉を露わにさせ、同時にその痛みを癒すのだ。傷を負ったことを否定せず無視せず悪者になどしないのだ。

 

恐怖としばらく対話した後、恐怖はまたしても絶叫を始めた。

けたたましいというか、哀れというか、手の付けられないというか。

そういう、ちょっとやそっとでは収まらない絶叫だった。

恐怖は、怒りに満ちていた。

 

私をこんな目に合わせやがって。お前を許さない。

自分をこんなに雑に扱いやがって、殺してやる。

お前なんか地獄に落ちて、死ねばいい。

 

口が悪いにもほどがあるが、私は恐怖の訴えを黙って聞き続けるしかなかった。

なぜなら、その主張はしごくもっともで、押さえつけられ虐待され続けてきた者による純粋な叫びに他ならなかったからだ。

私は、恐怖に、一つの提案をした。

 

シャワーを浴びないか。そして髪を洗って、トリートメントしないか。

 

まったく下らない提案だった。

 

けれど、私は、恐怖がこのまま自分自身を乱暴に扱い、今にも腕にかみついて傷だらけにするのを放っておけなかった。

身ぎれいにして、清潔になって、大切に扱いたかった。

 

提案は、しぶしぶ受け入れられたようだ。

 

恐怖をなだめながら、ともに浴室に入り、熱めのシャワーで汚れを落とすことに成功した。

 

自分の中に、もう一人自分がいるなんて思っていない。

なんとか、動くために、自分をだましまだししているだけなのかもしれない。

それでも、叫びが少しだけ収まった。

自分を大切にせず、汚い場所へ突き落とした自分への怒りと恐怖。

その叫びを、無視してはいけない。

最後まで、聞かなくてはいけない。

 

浴室を出て、髪が半渇きになるころ。

私は、パソコンに向かった。

 

数件の仕事に提案を出す。

執筆がきまっているコラム4000文字ほどを2本仕上げ、納品した。

今日は、また派遣先企業の面接がある。

想像しただけで、嘔吐しそうになるが、そのたび、こうしてブログを書くのだろう。

 

希死念慮が罪悪感を凌駕するまでは、生きる努力をしていくつもりだ。

自分自身への業務連絡をつぶやき続ける

各種連絡メールに返信終わった。

依頼された文章をひとつ仕上げて納品した。

もう一つ書く仕事があるので、そっちも仕上げなくちゃいけない。

最初に受けた方は、文章力や構成なんて気にせず書いた。30分くらいで一つ仕上がった。

チェックもほとんど入らず、すぐに採用された。

1文字1円の仕事だった。

すぐに次を書き始める予定だ。金がなくちゃなにもできない。

派遣会社からの連絡を待つ間、駄文だろうが文章を書いて金になるならありがたい。

 

恋人から電話が入った。

これからコーヒーを飲みに行く。

 

ワードを開いて文章を打ち込んでいると、不思議な気分になってくる。

前は、文章を書いていると気分が落ち込んだりしたが、今はそうでもない。

とにかく書きまくらないと、逆に落ち着かない。

 

このブログは1日2000文字を目標にしたが、あまり意味はない。

超えてしまっても、足りなくても構わない。

 

もう一つの仕事の方は、かなり単価は安いが、楽な仕事みたいだ。

とにかく1つ仕上げて出さなくては。

ブログを書いている場合じゃないが、一つ何かを仕上げるたびに、感情の膿がたまっていしまう。

世間から隔絶されたような気分で、タイピングする。

誰も私を知らないし、私も誰のことも気にしない。

 

恋人と、近所のファミレスに行ってきた。

 

仕事の話や、世間話。

遅い夕食をとる。

 

死にたい気持ちの代弁者、安眠が顔を出す。

安眠は、私の隠れた願望だ。彼女は、いつも死にたいと思っている。いつも死にたいなんて考えることは、倫理に反している。だから、この願望は、私の理性や世間体に押しつぶされてしまう。

しかし、いくら押しつぶそうとも、完全に消えてしまうことはない。

いつも、私の一番深い部分の本音として、彼女は君臨している。

この願望は、いかなる他人にも取り除くことはできない。

 

さっきまで目の前にいた、大事な人にも。

 

恋人が、もし死んでしまったら、悲しいなんてものじゃない。

廃人になるんじゃないだろうか。

余生を生きていけるだろうか。

私はよくそういうことを考える。彼は本当に大事な人だ。

だけど、自分が死にたいと思う時には、ひどく自分勝手になってしまう。

 

さて、もう眠ることにする。

明日もやることがたくさんあるみたいだ。

やりたくないこともたくさん。

 

派遣会社から連絡がこないうちに、ちょっとは金を作らないと。

しかし、あんまりやる気はないのだ。

どこかに、消えてしまいたいのだ。

 

 

欲がなくなったら、終わる

先ほど、派遣会社から電話。

先方から断られましたとのこと。

慣れたもので、ショックはないが、食い扶持が見つからないのは非常に困る。

現実的に、働き口をさがしていかなくては。

コンビニで求人情報誌を手に入れた。

 

もし食い扶持が見つかっても、私は何も変わらないだろう。

変わることを拒否するだろう。

罪悪感がある。

後ろめたい。

いっそ、気が狂ったふりでもしてみようか。

 

親からの呪縛は、なかなかきつい。

私は親に感謝しているのだ。

 

小説の勉強をしながら、その道を模索しつつ、職を探さなくてはならない。

親に胸を張れる職を。

親が安心できる仕事を。

親が安心できる結婚相手は、無理かな。

恋人は、いい人だけれど。

 

メールだ。

 

仕事依頼が届いた。

なんてタイミングだろう。

早速返事をしなくてはいけない。

短い文章をいくつか書かせてもらえるみたいだ。

 

書くことが、金になるのはありがたい。

 

記事の内容を簡単にまとめて、短いプロットを組む。

数回分のタイトルを決める必要がある。

今夜中に、諸々の準備と連絡をしよう。

 

これを完成させれば、しばらく食いつなげる。職を探さなくてはならないことには変わりないが、やることが何もないよりはマシだ。

 

顔が見えない仕事が、また始まる。

親の失望した様子が目に浮かぶ。

 

しのごの言っている暇はないので、とにかく動き出す。

ああ、恋人の声が聞きたい。

缶ビールを探す。

f:id:saruzo:20170710203829j:image

いただきます。

いただきだけに。

 

さて、依頼があった文章書きの仕事に取り掛かることにする。

こんなクズに仕事をくれるなんて、奇特な会社だ。

コラムの形になると思う。

締め切りはだいたいヒトツキ

早く仕上げるにこしたことはない。

 

ああ、恋人の声が聞きたい。

 

そして、厳しい世界で戦っている友人の声が聞きたい。

 

私は、間違っているのかもしれない。

 

正しさなんて、誰にも決めることは出来ない。

 

不安で潰れてしまいそうになる。

痛みが身体を這い回る。

 

思い切りセイコウして、思考活動を制止させたい。

欲が暴走している。

 

諸々、メール返信や文章書きの仕事がひと段落ついたら、またブログを書こう。

感情を吐かないと、マジで死にたくなりそうだ。

 

 

 

 

 

 

見せかけの正しさに騙されにいく

正しさ。

一体、正しさなんてものを正しく規定できる人間がこの世に存在するのでしょうか。

 

昨日、ノートに、ただただ文章を書き連ねていた。

内容など、精査せず、推敲など、しない。

このブログに、1日に2000文字くらいは、意味のない文章を書こうと思っていた。

 

アクセス解析を見たら、3人ほど、このサイトを閲覧された方々がいらっしゃるらしい。

昨日から書き始めて、1日で3人、見ず知らずの方がいらしたんだと思うと、不思議な気持ちがする。

最初から、誰かに読んでもらいたいという目的では書いていなかったが、読んでいただけたことは、少なからず嬉しい。

 

誰のことを批判するつもりもない、自分が生きるために、少しだけ感情の嘔吐が必要だったのだ。

もし、ここを閲覧して不快な気分にさせていたら申し訳なく思う。

 

しかし、書き続けていかねばならない。

 

数日前。

恋人とともに深夜、車で帰宅する途中。

道路に猫の遺体が横たわっていた。

あっ

と恋人が小さく叫んで、ハンドルを右に切った。

猫だ、見ない方がいい、と私に言った。

恋人も私も、猫や犬が好きだ。

 

あの猫、昨日見た奴かもしれない

 

私のアパートの周辺には、野良猫がたくさんいる。

中には放し飼いの猫も混ざっているかもしれない。

 

私の実家には、10歳になる猫もいる。

恋人の家には、犬がいる。

 

f:id:saruzo:20170710150647j:image

 

私は、お葬式が苦手だ。 

ご遺体のお顔を見るのが、苦手だ。

 

徹底的に、泥酔したい気持ちになる。しかし、酒なんてない。

精神安定剤を沢山のんで、意識を混濁させたい。

そんな薬、一錠もない。

手首に傷をつけたい。

カッターナイフがない。

スマートフォンを壊したい。

 

気がつけば、時間はどんどんすぎる。

身体がどんどん、老いる。

スマートフォンの充電が切れる。

楽しいことが、見つからない。

すぐに飽きてしまう。

対価を求めてしまう、見返りはあまりない。

提供したものよりも、価値の高いものを見返りに望む。

 

ゴミを差し出して、ダイヤモンドを欲しがる。

 

缶チューハイを片手に、小説を書く。

意味の繋がらない文章を書く。

チャットレディに登録して、半裸の写真をブログに貼る。

見知らぬ誰かと、電話をする。

スナックの裏方求人に申し込む。

 

早く、なんとかしないといけない。

 

病院の冷暖房は、いつも節電を重視している。

 

夏、汗ばむくらいの部屋で、インスタントのホットコーヒーばかり飲む中年女。

 

私は記憶から逃走する。

 

見せかけとしか思えない正しさを、それぞれが主張している。

お前にとってはそれでいいかもしれんが、私の意見は違う、と、面と向かって言えないのだ。

 

みんな、私を含め、みんな、爬虫類の頭蓋を歪めたような表情で、顔の皮膚はゴム状だ。

てかついていて、無機質な悪臭がする。

 

仕事仲間のおじいさんが、犯罪をはたらいて、逮捕された。

 

身近な犯罪者に個人的にどう対応するのが正しいのか、私は分からない。

それぞれ、好きにしたらいい、と思う。

あの人の電話番号を消去した、と、話す人がいた。

普通ならそうする、それが正しい、と言う。

根拠を説明しないので、納得できない。

 

常識やら普通やらを持ち出して来られると冷めた気持ちになる。

 

しっかりした根拠を持てない。

根拠は、信念から導き出したい。

 

犯罪をはたらいた人と知り合いでいたくない、気持ち悪い、怖い、もし電話がかかってきたらと思うと、嫌な気分になる、冷たい人間かもしれないが、面倒は嫌だ、視界に入ってこないでほしい、

 

だから、連絡先を消去した。

 

こんな本音があったとしても、言う必要はない。

連絡先を消去したこと自体、言う必要がない。

 

正しさを押し付ける人と一緒にいると、苦痛だ。

 

話すべきことが、ない。